「大地からいただく大事なお茶、いつも最高の味にしたいと真剣勝負ですが、まだまだ100点満点のお茶には届かんとです。それでもだいぶ上手になってきて、今は70点くらいでしょうか。まだまだ勉強途中です。」
そう語るのは、この「九州のへそ」山都町の集落、花上にて、昔ながらの在来種の茶木を守りながら香り高い釜炒り茶を作りづけている戸高園の園主、戸高朝一(とだかともいち)さん。
戸高さんは親から手炒りの技術を学び、15歳くらいから手炒り茶作りを始め、60年近く釜炒り茶を作り続けている名人です。
「まだまだお茶は美味しくなるはず」と今日も誠心誠意お茶と向き合い続けています。
戸高さんの茶園は豊かな自然に恵まれた山紫水明の地、標高700メートル近くの山腹にあり、風の通りや日当たりが良いお茶作りに適した場所にあります。水も空気も美しく、このような場所では農薬、肥料など使わなくても良質なお茶ができます。
戸高さんの茶園に足を踏み入れると土がふかふかとしており、多種多様な生き物が土の中で暮らしていることを実感します。そのため、どうしても野生の草(雑草)も生えてきますが、もちろん除草剤などは使わず、奥様の美穂さんと一緒に手で抜いて回ります。
「土を殺す農薬などもってのほか
自然を敬い謙虚でいるからこそ
自然が美味しいお茶を分けてくださる。」
と戸高さんは考えていらっしゃいます。
自然が美味しいお茶を
分けてくださる。」と戸高さん
は考えていらっしゃいます。
「釜炒り茶」の製茶法は、まず釜の中に生葉を入れパチパチと音がなり始めたら炒る。昔は温度計がなかったので、この音で温度を確認したそうです。釜の温度は約400度。高温でいっきに葉の発酵を止めてしまう「青殺」という工程です。香りと茶葉の色の変化、水分量を見ながら茶葉を釜から出し、次は藁で編んだ「ネコブク」の上に広げ炒った葉を揉む。このときにしっかりと手のひらに力を入れ、茶葉が芯に蓄えている水分を押し出していきます。そしてまた釜の中へ入れて炒る。また、ネコブクの上で茶葉を揉む。茶葉を炒っては揉み、という作業をじっくり4回ほど繰り返すこと約4 時間。一回に釜で炒ることができる量にも限りがあり、オートメーション化による大量生産が主流の現代において、なんという手間のかけようでしょうか。
釜、竹の茶摘みかご、炒り棒のマタギ、
ネコブク、ホウキ、竹製の箕、
竹と和紙でできたウチワ、茶壷など
受け継いできた日本茶の伝統製法を
守り続けています。
一般的なお茶農家が育てているのは「やぶきた」というお茶に代表される「改良種」がほとんど。浅いヒゲ根から肥料をぐんぐん吸収し茶葉を茂らせます。ですが、野生の茶の木は本来、肥料がなくとも7メートル以上にも育ちます。
自然の力でお茶の葉に蓄えた養分、いわば「大地の精」をいただく、それが日本人が昔から親しんできたお茶なのです。
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