土井さんの言葉に驚いた。
困難な有機農業を成し遂げ、今や羨望される存在のはずなのに自分の農業はまだ発展途上だというのだ。
「師匠が教えてくれた理想的な農業にまだ到達できていないんです。でも、もうあと一歩なんだ。私はもう73、あと10年あれば、本当の農業ができるんじゃないかと思う。だから、神様に、あと10年、元気で米作りをさせてくれ。と毎日頼んでるよ。」と。
今なお前進する姿に感服した瞬間だった。
そんな土井さんの師匠は、97歳でお亡くなりになる直前まで、朝から晩まで畑仕事に明け暮れていたお母さんだったそう。「そんな母親をみてきたからか、母親が守ってきた土地、先祖の土地に不義を働くようなことは絶対にしたくない。この土地を守り続けるのが私の宿命だと思っています。」静かで力強い決心を持ち、今日もお米と向かい合っている。
土井農場は生態系のバランスに優れたすばらしい土壌をもっています。米糠、籾藁、昆布、ワカメ、立貝などを2年以上寝かした自家製の発酵植物堆肥を使用しています。また、1年中田んぼに水をはることで、鳥やカエルやヤゴ、その他たくさんの虫、微生物たちの力を借り土壌改良を行う「ふゆみずたんぼ」農法の研究機関の提携農場に指定されたこともあり、膨大な生き物のデータを提供しました。
「私の田んぼの土は生きている
なにひとつ不要なものはないんだよ。
何千、何億もの『生き物』たちが、
田んぼの中にいてくれて、
美味しいお米を作ってくれる。」
一般的に市場に出回っているお米は、収穫後、効率よく一気に高温で乾燥させたものがほとんどですが、高温の熱風にさらされるとお米の食味は低下してしまいます。
土井さんは、可能な限りお米のうまみを引き出すために、徹底して「低温乾燥」を行い、お米の選別にもしっかり時間をかけています。
50度以下の温度で2日間ゆっくり乾燥させた後自然冷却させ、その後2週間ねかしておきます。その作業を2回、3回と繰り返すのです。そのため、収穫後、お米の出荷が始まるまでに7週間近くかかることもあります。
ゆっくり、じっくり乾燥させ
その都度、未熟粒、死粒、被害粒、
などを取り除くため
旨味、甘みのある
おいしいお米になるのです。
「ゆきひかり」とは、昭和
50年代に北海道で栽培されていた昔のお米の品種。現在ではほとんど栽培されておらず、北海道でも約1%しか栽培されていない責重なお米です。
「ゆきひかり」はコシヒカリ系(もち米が先祖) の米ではなく、うるち米系の品種です。アミロペクチン (お米がもちもちする特徴)が少なく、アミロース
(お米があっさりする特徴)が高い品種で、タンパク質も他の品種よりは少ないという特徴があります。
Recipe
Products
みなさまに心から食べてほいしいと思う商品を、直接農家さんとお話ししながら取り揃えました。
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わたしたちは、自然食品の販売や調理を行っている店舗の方と積極的にお取引をしています。
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